電動機の正転・逆転回路

リレーシーケンス

 1台のモーターを右回転・左回転させることにより、シャッターは上下の方向に動き、自動扉は左右に開閉します。よく利用されているモーターを正逆回転させるシーケンスについてやさしく解説しています。

正逆回転の原理

正逆回転の原理
電動機の正転・逆転の原理

 三相誘導モータは時間的に位相のずれた3つの正弦波である三相交流電源から回転磁界を作り出し、その磁界の作用でモーター内部に誘導電流を発生させ、この誘導電流と磁界の作用で力が発生することにより回転力を生み出しています。

 三相誘導モーターの口出し線「U,V,W」相を三相交流電源「R,S,T」相に対して、「RとU・SとV・TとW」のように接続すると、モーターは正方向(反時計方向)に回転します。

 三相電源の「R,S,T」相のうち2相を入れ替えてモーターの口出し線「U,V,W」相に接続すると、相回転が反転してモーターは逆方向(時計方向)に回転します。

正転・逆転回路のシーケンス

正転・逆転回路のシーケンス
正転・逆転回路のシーケンス

正回転動作

  1. 押しボタンスイッチBS-Fを押すと、正転用の電磁接触器52-Fが動作します。
  2. 押しボタンスイッチBS-Fと並列に接続されている、正転用の電磁接触器52-Fの補助接点(a接)により、自己保持されます。
  3. この状態で押しボタンスイッチBS-Rを押しても、逆転用の電磁接触器52-Rには正転用の電磁接触器52-Fのb接点が直列に接続されているため、モーターは停止も逆回転もしません。(インターロック)
  4. 押しボタンスイッチBS-1を押せば、自己保持が解かれモーターは停止します。

逆回転動作

  1. 押しボタンスイッチBS-Rを押すと、逆転用の電磁接触器52-Rが動作します。
  2. 押しボタンスイッチBS-Rと並列に接続されている、逆転用の電磁接触器52-Rの補助接点(a接)により、自己保持されます。
  3. この状態で押しボタンスイッチBS-Fを押しても、正転用の電磁接触器52-Fには逆転用の電磁接触器52-Rのb接点が直列に接続されているため、モーターは停止も逆回転もしません。(インターロック)
  4. 押しボタンスイッチBS-1を押せば、自己保持が解かれモーターは停止します。

 以上が三相誘導電動機の正転・逆転シーケンスの基本回路図です。電源回路の相を入れ替えた電磁接触器を正転用・逆転用とし、切り替えを行っています。また、正転と逆転の回路が同時に働かないように、必ずインターロック回路を入れます。この回路を基本にして、運転中や停止中のランプを点灯させたり、警報回路を組んだりして、実際に使用できる回路へと豊富化を図ります。

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